この記事の要点
- 常温合材(じょうおんごうざい)を使った直径20〜30cm程度の小さな穴の補修は、DIYでも十分対応できます
- 駐車場の全面舗装は、路盤(下地)づくりと転圧機械が不可欠なため、DIYで品質を確保するのは現実的ではありません
- DIY補修はあくまで応急処置で、劣化の原因そのものを直すものではない点に注意が必要です
- 亀甲状のひび割れ・陥没・水たまり・穴の再発は、プロに相談すべきサインです
- 傷みが小さいうちに手を打つことが、結果的に舗装を長持ちさせ、費用を抑える近道になります
結論:DIYできるのは「小さな穴の応急補修」まで
「駐車場の舗装はDIYできますか?」というご質問を、現場でもよくいただきます。舗装業者として正直にお答えすると、ホームセンターで手に入る常温合材を使った小さな穴(ポットホール)の応急補修まではDIY可能です。一方で、駐車場全体のアスファルト舗装や、下地となる路盤づくりは、専用の転圧機械と温度管理が必要なためDIYには向きません。
まずは、作業内容ごとのDIY可否を一覧で整理します。
| 作業内容 | DIY可否 | 理由 |
|---|---|---|
| 小さな穴(ポットホール)の応急補修 | ○ 可能 | 常温合材と簡単な道具で対応できる |
| 細かいひび割れの簡易補修 | △ 一時しのぎなら可 | 市販の補修材で塞げるが、原因は直らない |
| 砂利の補充・敷きならし | △ 小面積なら可 | 転圧が不十分だと凹凸がすぐ再発する |
| 全面のアスファルト舗装 | × 不向き | 加熱合材の温度管理と転圧機械が必須 |
| 路盤(下地)づくり | × 不向き | 締固め不足が沈下・ひび割れの原因になる |
| 水はけの勾配づくり | × 不向き | 数cm単位の高さ管理が仕上がりを左右する |
以下で、それぞれの範囲を具体的に見ていきましょう。
DIYでできる範囲:常温合材を使った小穴補修の手順
常温合材とは、加熱しなくても使えるように加工された補修用のアスファルト材料です。袋から出してそのまま穴に詰められるため、駐車場のポットホール補修の定番材料としてプロの現場でも応急処置に使われています。
用意するもの
- 常温合材(20kg前後の袋入り。ホームセンターや通販で1袋2,000〜3,000円程度が目安)
- スコップ・ほうき(穴の中の掃除用)
- タンパー(突き固め用の道具。なければ角材や板でも代用可)
- 軍手・汚れてもよい靴
補修の手順(5ステップ)
- 1. 穴の中を掃除する:砂やはがれたアスファルト片、水を取り除きます。ゴミが残ると合材が密着しません。
- 2. 穴の縁を整える:縁がボロボロと崩れる場合は、崩れる部分を取り除いておくと剥がれにくくなります。
- 3. 常温合材を穴に詰める:周囲の路面より2〜3cmほど高く、山盛り気味に入れるのがコツです。締め固めると沈むためです。
- 4. 突き固める:タンパーや角材で上から何度も突き、しっかり締め固めます。ここが最も重要な工程です。
- 5. 車のタイヤで転圧する:最後に車のタイヤでゆっくり数回踏み固めると、表面がなじみます。
晴れた日に行い、穴の中が乾いた状態で施工するのが長持ちのポイントです。1袋で補修できるのは、目安として直径30cm・深さ5cm程度の穴1〜2か所です。
DIY補修の限界:あくまで「応急処置」と考える
正直にお伝えしたいのは、常温合材の補修は「穴を塞ぐ」処置であって、「穴ができた原因を直す」工事ではないということです。ポットホールの多くは、ひび割れから雨水が路盤に入り込み、下地が緩んだ結果として発生します。原因が残ったままでは、同じ場所や周辺に穴が再発しやすく、車の乗り入れが多い場所では数か月で剥がれてしまうことも珍しくありません。「まず塞いで様子を見る」ための手段と割り切るのが正しい使い方です。
駐車場の全面舗装がDIYに向かない理由:路盤づくりと転圧
次に、なぜ全面舗装はDIYに向かないのかを、舗装の仕組みから説明します。
理由1:アスファルト舗装は温度との勝負
本来のアスファルト舗装に使う加熱合材は、プラントから150℃前後の高温で出荷され、温度が下がる前に敷きならしと転圧を終える必要があります。温度管理を誤ると締固めが効かず、すぐに剥がれや骨材の飛散が起きます。加熱合材は個人では入手も運搬も難しく、この時点でDIYの選択肢からは外れます。
理由2:舗装の寿命は見えない「路盤」で決まる
アスファルトの表層の下には、砕石を敷き固めた路盤という下地の層があります。駐車場の舗装が10年以上持つのは、この路盤が車の重さを受け止めているからです。路盤づくりにはローラーやプレートコンパクタといった転圧機械による締固めが不可欠で、人力の突き固めでは車の重量(1台あたり1〜2トン)に耐える密度を確保できません。路盤が緩いまま表面だけ舗装しても、早期の沈下やひび割れにつながります。
理由3:水はけの勾配は数cm単位の精度が必要
駐車場の舗装には、雨水を側溝などへ流すためのわずかな傾き(勾配)をつけます。この高さ管理が甘いと、水たまりや逆流の原因になります。仕上がりの高さを数cm単位でコントロールするのは、経験のない方には非常に難しい作業です。
参考までに、当社が施工した海老名市の砂利駐車場24台分をアスファルト舗装にした事例では、既存地盤の不陸整正(凹凸をならす作業)と砂利の補充で下地を整えたうえで、厚さ50mmの舗装を2日間で仕上げています。機械と人員がそろったプロの体制であれば、この規模でも短工期で施工できるという一例です。
プロに相談すべき4つのサイン
次のような症状が出ている駐車場は、DIY補修では追いつかない段階に入っている可能性が高いため、一度専門業者に見てもらうことをおすすめします。
- 亀甲状(かめのこうら状)のひび割れ:路盤まで劣化が進んでいるサインで、表面だけ塞いでも再発します
- 陥没・沈下:下地や埋設物まわりの空洞化が疑われ、放置すると広がります
- 大きな水たまりが毎回できる:勾配の崩れや沈下が原因のことが多く、部分補修では直りません
- 同じ場所の穴が何度も再発する:原因が下地にあるため、応急処置の繰り返しになっています
症状ごとの補修方法と費用の目安は、駐車場のひび割れ・陥没の補修費用と放置NGな症状の見分け方で詳しく解説しています。
また、自動車教習場のコース内舗装を補修した事例のように、車が繰り返し走る路面ほど、傷みが軽いうちの補修が舗装全体の寿命を延ばし、維持費用を抑えることにつながります。これは一般の駐車場でも同じです。
業者に依頼した場合の費用感
全面舗装を業者に依頼した場合、アスファルト舗装の一般的な相場は3,000〜7,000円/㎡程度です。当社の参考価格はアスファルト舗装5,000円/㎡〜で、車1台分(約12〜15㎡)の住宅用駐車場なら工期1〜2日が目安です。なお2026年は労務単価や合材価格が上昇局面にあり、見積金額は時期によって変わりやすいため、早めに見積もりを取って比較されることをおすすめします。
※㎡単価は一般的な相場観です。約50㎡未満の小規模な工事では、職人の人件費・重機の回送費など面積に比例しない固定費が費用の大半を占めるため、㎡単価では算出できません(車1台分程度でも30万円前後からが目安)。総額はお見積りでご案内します。
工法別の単価や見積もりの見方は駐車場舗装の費用相場の解説記事に、面積からの概算は概算料金シミュレーターにまとめていますので、あわせてご覧ください。
※概算シミュレーターは広さと施工方法だけで算出する簡易的な目安です。諸経費や現地の条件は含まれていないため、正式なお見積りとは異なります。
よくある質問
Q. 砂利を敷くだけなら自分でできますか?
小面積であれば可能です。ただし、下地を転圧せずに砂利を敷くと、車の出入りですぐに轍(わだち)や凹凸ができ、砂利の補充を繰り返すことになりがちです。駐車場として長く使う予定があるなら、防草シートの敷設や下地の締固めまで含めて業者に相談したほうが、トータルの手間と費用を抑えられるケースも多くあります。
Q. 常温合材で直した箇所はどのくらい持ちますか?
下地の状態や車の通行量によって大きく変わります。締固めがしっかりでき、下地が健全であれば長く持つこともありますが、車のタイヤが頻繁に乗る場所では数か月で剥がれてくることも珍しくありません。あくまで応急処置と考え、再発するようであれば下地からの補修をご検討ください。
Q. DIYで補修した場所も、あとからやり直してもらえますか?
問題ありません。常温合材で塞いだ箇所も、切削して撤去したうえで本復旧できます。「DIYで直してみたが再発してしまった」というご相談は実際に多く、現地調査でどの範囲まで手を入れるべきかを判断してご提案します。当社は見積無料です。
Q. 道路との段差をなくす「切下げ」も自分で工事できますか?
できません。歩道や縁石は道路管理者の管理物のため、個人で勝手に工事することはできず、一般に自治体への申請と基準に沿った施工が必要です。手続きの要否や条件は地域によって異なるため、必ずお住まいの自治体にご確認ください。詳しくは切下げ工事の費用と申請から施工までの流れを解説した記事をご覧ください。
対応エリア・無料見積もりのご案内
駐車場舗装工事PROは、横浜市を中心に神奈川県内と東京都町田市・八王子市で駐車場の舗装工事・補修工事を承っています。創業25年・完全自社施工で、公共の道路舗装で培った技術を個人宅の駐車場にも活かしています。「DIYで直せる範囲か、プロに頼むべきか」の見極めからで構いませんので、お気軽にご相談ください。見積無料です。
お電話でのご相談は045-301-3949(平日9:00〜17:00)、メールでのご相談はお問い合わせフォームからどうぞ。
監修:駐車場舗装工事PRO 代表取締役 阿部幸一(神奈川県知事許可(般-6)第75223号)。創業25年、公共の道路舗装から個人宅の駐車場まで手がける舗装のプロフェッショナル。